HSPの向いている仕事を体感する

「HSP」という言葉は最近になってよく聞く言葉ですね。

これはあくまで略語で、正式には「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と言います。

アメリカの臨床心理学者であるエレイン・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、単純に言うと「五感が敏感で刺激を受けやすく、極端に繊細な人」ってことです。

SNSなどで話題になったり、最近はHSPに関する書籍もよく目にするので、自身はHSPでなくとも、言葉や意味を知っている方は割といるのではないでしょうか。

私自身はというと、セルフチェックではあるのですが、診断テストのチェック項目の9割方当てはまりますので、まぁ立派な(?)HSPだと思います。

生きづらいというよりも、自分でも「面倒な気質だなぁ」というのは日々感じています。

とは言え、統計では5人に1人がHSPであると言われているので、割合としてはそこそこいるんですよね。なので、私だけじゃないんだなという妙な安心感はあります。

ただ厄介なのは、HSPは病気ではなく生まれ持っての気質なので、精神科や心療内科で治療をしたりだとか、後天的にそれを変えることはできないということです。

いやはや、何とも酷な話ですね(笑)

ですので、周りからの理解より何より、まずは自分自身がより自分の気質を理解し、この気質とどう付き合っていくかということを考えなければなりません。

プライベートでは自分の過ごしやすいように環境を整えることもできますが、仕事となるとそうもいきません。

与えられた環境に自分が馴染んでいくしかないので、自分に合わない仕事場だと本当に苦痛ですよね。(それはHSPでなくともそうかもしれませんが)

私自身、そんなに大した職歴も何もないのですが、最終的に今が一番心地よく働けているので、これまでの経歴の中での体感を記していこうと思います。

実体験

昔は自分に向いている仕事が何なのか、よく分かっていませんでした。まぁ、若い頃は誰しもそうかもしれませんが。

自分の好きなこと=向いている仕事とは限りませんしね。

なので、何となく興味を引かれたところに応募して面接、そのまま受かって人生で初めて働き始めたのがバーでした。

バー

よりにもよって、HSPが最も苦手とする接客、サービス業です(笑)

当時の私は「お酒は大好きだし、バーで働くなんてオシャレやん!」という単純思考でバーを選んだのですが、その選択はもちろん大きな間違いだったわけで。

今思い返すと案の定といいますか、やはり接客が本当に苦痛で、それが理由で辞めました。

それでも3年ぐらいは頑張って続けていたので、当時の私にしてはよく頑張ったほうだと思います・・・。

特に、私が勤務していたバーは少しガラの悪い地域にあったので、やってくるお客さんも結構クセの強い人ばっかりだったんですよね。それもあってか、お客さんと話すことがものすごく苦痛だったんです。

あと、店長も叱って伸ばす方針の人だったので、仕事の合間によく怒られて、涙をこらえての接客はとても辛いものでした。

でも、お酒や料理を作ったり、洗い物をしたりといったカウンター内での作業は楽しくできたので、喋らずに延々とカウンター内で作業だけすればいい仕事なら今でもできそうです(そんな仕事はなさそうですが(笑))

私はバーでの仕事を始めてから、ストレスで10kgも体重が増えてしまいました。

仕事に行く前は嫌で嫌で仕方がなく、自宅を出る前からもう「早く帰りたい・・・」と考えるほどにギリギリの状態だったんですよね。

始終動き回るような仕事でもないので体力面は問題なかったのですが、精神面がゴリゴリ削られていました。

3年は短いかもしれませんが、バーは辞めて正解でしたね(汗)

私の妹は逆に、面倒な客の相手もかなり得意で嬉々として接客をするようなタイプなので、私とは正反対と言えます。接客が苦痛じゃない人って尊敬します・・・。

工場作業

さて、接客にすっかり凝りてしまった私は、次は絶対に接客がない仕事がいい! ということで、飲食系やコンビニ、受付業などは徹底的に選択肢から排除しました。

事務系も考えたのですが、電話対応をしたくないという理由で選択肢から外しました。しょうもないことかもしれませんが、電話が本当に苦手なんですよね・・・。

そこで、工場作業です。

私が働いていた工場はライン作業ではなく、専用の機械を操作して品物を加工するといったものでした。

0.1mm単位のかなり繊細な作業だったので、ものすごく神経を使いましたね・・・。

ただ、この業務は完全な一人作業で、ほぼ誰と接することもなかったので、仕事内容自体はバーよりもかなり気楽なものでした。作業後の品物の洗浄やごみの始末など、こちらはバーとは逆に体力面がきつい仕事ではありましたが、精神的にはかなり楽な仕事だったので、こちらの工場作業は私に向いている仕事だったと思います。

仕事内容自体は向いていたんですけどね・・・。

詳しくはこちらの記事に書いています。↓

上記の「生産性のない愚痴」の項目に書いていることは、この工場で働いているときのことでした。

そんなに規模の大きい工場でもなかったので、話す相手というのも決まっていたんですよね。

仕事内容は本当に何の不満もなかったんです。

ただ、本当に本当にこの同僚の愚痴だけが私にとっての最大のストレス源でした。

で、愚痴を延々と話す同僚はなぜだか私に愚痴を話すことで元気になり、その反対に、私はその同僚の不満やイライラを全て肩代わりしたかのごとく一気に疲れが荒波となって押し寄せてくるわけです。

0.1mm単位でものすごく神経を使う工場での作業より、この同僚の愚痴を聞いているときが一番しんどかったし、苦痛でした。このあたりはHSP特有の共感性で、この同僚の感情の影響をもろに受けていたのかもしれません。

上記の記事にも書いていますが、この同僚の愚痴があまりにもひどくて、私のほうが体を壊してしまいました。

このままここで働いていると本格的に病気になってしまうという危機感をここで初めて抱き、ここでの仕事も辞めることにしました。

辞めてからは心と体の回復のため、1、2年ほど休養を取っていました。

大好きなゲームも好きなだけプレイできるし、週末には友達とも遊びにいけて、とても楽しく過ごせました。(工場勤務中は気力がなくてそれもできなかったので)

事務+α

バーや工場で働いて思ったことは、人と関わるとそれだけで消耗するのでは? ということです。

プライベートの人間関係はある程度自分の自由に構築できますが、仕事ではそうもいきませんからね。

そこで目を付けたのが在宅ワークです。

とは言え、在宅ワークは単価も安いので、在宅で食べていくというよりは、次の仕事を見つけるまでの軽い繋ぎ程度に考えていました。

なので、休養期間中に資格を取って、年明けにその資格を生かせる企業にトライアルを申し込み、一次試験、二次試験を経て見事合格しました。

晴れて在宅ワーカーデビューを果たし、休養期間中に頑張って小金を稼いでいました。

この企業の支店が偶然にも自宅から近い場所にあったので、出張作業のお仕事なんかも頂けて、かなり割の良い仕事と言えます。

出張作業のお仕事を頂く際に支店に伺うことにもなるので、支店の方とも直接知り合うことができました。

そのご縁で、今支店のほうに人手が足りていないから、ここの事務でヘルプで働いてみないかとお誘いを受け、初の事務職に就くこととなりました。

その間、在宅の案件も今までどおり頂けるとのことで、とてもありがたい話です。

支店のほうには週に3、4日勤務、そのうち1、2日はリモートワーク、勤務日ではない日は在宅案件と、私にとっては夢のような環境でした。

苦手な電話対応もそんなに頻繁にはなかったですし・・・(笑)

あと、失敗して怒られるということもなかったので、そのあたりも心理的負担がかなり軽減されていたと思います。

というのも、その企業には「失敗を責めない」という社訓が掲げられているんですよね。

私自身、自分が悪いのは分かっていても、失敗を責められたり怒られたりすると萎縮してしまい、その後のパフォーマンスが目に見えて落ちるので、起こってしまった失敗を責めるという行為は効率が悪いし生産性もないなと感じているところです。

これもHSPの特性なのか、そこでさっさと気持ちを切り替えることができず、怒られたことをその1日ずっと引きずってしまうので・・・。

支店勤務のときは、何か失敗や間違いがあっても、あくまで事務的に指摘されるだけだったので、こちらも理性的に「次は気を付けないと」と思えましたし、実際に同じミスは繰り返さないようにできました。

支店の人たちの心理的な距離感もとても絶妙で、お互い干渉し過ぎず、踏み込み過ぎず、適度な距離感で接してもらえたので、居心地が良かったです。

分からないことはいつでも聞いてくれていいし、何なら分かるまで何度でも聞いてほしいとも言ってもらえたので、実際に「こんな些細なことで質問してもいいのかな?」というハードルもぐっと下がりました。

とても働きやすい職場だったのですが、業務も落ち着いてきたということで、そのタイミングで私も支店を去ることとなりました。

在宅ワーク

在宅の案件や出張作業は今もその支店、本店から頂けているので、その企業自体との関わりは今でもずっと続いています。

事務が思った以上に快適だったので、次もまた事務職に就くのもいいかもしれないと思ったのですが、それ以上にリモートワークや在宅での作業がさらに快適だったのいうのもあり、在宅一本で何とかやっていけないだろうかとここで考えるわけです。

そこで私は、同じ業種で他企業の在宅ワークのトライアルにも何件か応募することにしました。

何件かトライアルを受け、そのうちの2社に合格してお仕事を貰えることになり、現在に至ります。

ありがたいことにそれなりにコンスタントにお仕事が頂け、特に繁忙期は寝る暇もないくらいの仕事量となり、パソコンの前でウトウトしながら作業する・・・ということも珍しくないのですが、充実しています。

自分のペースで仕事ができること、基本は文面だけでのやり取りであること、ゆえに何かしらミスがあったとしても文章で事務的に指摘されるだけなので、私自身の心理的負担が少ないこと、ミスの内容も納品物として手元に残るので、それを効率的に次に生かすことができることなどなど・・・

在宅ワークの快適さは、今まで働いてきた仕事の中で一番です。

出張作業は在宅ワークではないのですが、現場に到着した後は担当者の方と軽く打ち合わせをして、その後は機材設置や記録を取ったりなど、完全な1人作業なので、こちらも在宅ワークと同じくらい快適に仕事ができています。

最終的に私が辿り着いた快適な仕事は、結局のところ在宅ワークとこの出張作業でした。

とは言え、私1人でぎりぎり食べてはいけますが、あともう少し収入が欲しいところではあります。閑散期はやはり一時的に仕事も減ってしまいますしね。

なので、また新たに契約会社を増やすか、新たなネットビジネスに挑戦するのか、考えているところではあります。

一度在宅の気楽さを知ってしまうと、もう外では働けませんね・・・。

まとめ

こうやって文章に書き出してみると、かなりふわふわとした経歴ですね(汗)

そして、私が最終的に行き着いたのは在宅ワークです。プラスアルファで出張作業もですかね。

在宅だと、人の感情に振り回されることもないし、五感を刺激されることもありません。通勤ラッシュに巻き込まれることもないので、通勤の時点でどっと疲れるということもありません。

納期はありますが、その範囲内であれば自分のペースで、自分の気分で仕事ができるのもありがたいです。

HSPにとっては本当に理想的な仕事環境なんですよね。

日々いろいろな感情、刺激に晒されてしんどいという方は、在宅ワークを視野に入れてみてもいいかもしれません。

少しでもこの記事が、HSPに悩まれている方のお力になれれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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